コインパーキングの料金看板を見ると「60分200円」「24時間最大800円」など、税金に関して記載のない看板をよくみます。
利用者にとっては税込表記なのか、税抜表記なのか、はたまたコインパーキング利用料に税金はかかるのか気になるところです。
この記事では 「コインパーキングの消費税」 に関して、利用者目線で分かりやすく解説します。
コインパーキングと消費税の基本ルール
コインパーキングの駐車料金は原則「課税対象」
民間が運営するコインパーキングはサービス料扱いとなるため、課税対象となります。したがって利用料に対して標準税率10%が課税されます。
看板の表記内容は税込表記が一般的
2021年4月から消費税の「総額表示」が完全に義務化されたこともあり、コインパーキングの看板も原則税込で表記されています。税込金額が表記されていれば、税抜金額を併記することもOKとなっています。
税込金額と税抜金額の見分け方
- 1種類のみの表記 … 原則税込金額 ※古いと税抜表記の可能性も
- 括弧書きで2種類表記… 括弧がない金額が税込金額、括弧内は税抜金額
古い看板に注意
2021年4月以前に作られ、「総額表示」の切り替えを行なっていない看板には注意が必要です。2021年4月以前の表記と精算機システムのまま運営されているコインパーキングが残っている可能性もあります。
道路上のパーキング・メーターは非課税
道路上に駐車枠とパーキング・メーターを設け、短時間駐車を認めているエリアを「時間制限駐車区間」と呼びます。この区間の駐車料金は非課税です。「時間制限駐車区間」が非課税の理由は、パーキング・メーターの作動手数料、パーキング・チケット発給機の発給手数料が警察手数料に該当するためです。そのため、インボイスの発行もありません。
コインパーキングとインボイス
2023年10月1日からスタートした適格請求書(インボイス)制度は、コインパーキングの領収書にも大きな影響を与えています。
インボイス対応の領収書とは?
インボイス制度の導入により、仕入税額控除を受けるためには領収書に「登録番号・税率ごとの税額・合計額」の記載が必須です。
コインパーキング利用時に発券された領収書にインボイス制度に則った記載があるかしっかりと確認しましょう。
適格請求書に最低限必要な5項目
- 事業者名(運営会社名)
- 登録番号(T+13桁)
- 取引年月日
- 課税標準額および適用税率ごとの税額
- 合計金額
これら5項目が揃っていれば、その領収書はインボイスとして機能し、経費計上+消費税控除までスムーズに行えます。
仕入税額控除を受けられないケース
以下のようなケースでは、仕入税額控除が受けられない場合があるので注意しましょう。
- 登録番号が印字されていない…仕入税額控除はNG。経費計上は可(会社による)。
- 領収書が発券されない駐車場…出庫前後に管理室やコールセンターで領収書を発行してもらう手続きが必要になります。
- 時間制限駐車区間(パーキング・メーター)…非課税取引のためインボイスの対象外。
インボイス対応有無はパーキング運営主次第
インボイスに対応した領収書が発券されるかは、運営主が適格請求書発行事業者に登録しているか次第になります。
大手運営会社直営のコインパーキングであればインボイスにほとんど対応しています。しかし、中には運営委託形式をとっていてコインパーキングはよく見るブランドだけど、実際のオーナーは個人となっており、適格請求書発行事業者に登録していないケースもあります。
不安な場合は駐車前に約款等を確認するか、大手直営のコインパーキングを利用するようにしましょう。
コインパーキングの消費税に関するまとめ
- コインパーキングは時間貸し=課税対象
- パーキング・メーターは警察手数料=非課税対象
- 総額表示が義務でも旧看板には税抜表示が残存の可能性
- 仕入税額控除を受けるためには適格請求書(インボイス)が必要